紹介



「飛び入り参加の講師でもこんな部屋もらえるんですね」
「私は他の人と一緒でいいと言ったんだけど」

亜美の短大進学に伴い何故か付いてきた教授。
正式な教授として来ている訳ではないから本来なら専用の部屋など無くて
同じような臨時講師たちとの相部屋になるのだが、
ここの学長と元々勤めている大学の学長が知り合いで雅臣の事を知っており
何かと便宜を図ってくれて質素ではあるがちゃんとした部屋を用意してくれた。

「いいじゃないですか。貰える物は貰っとけ、藤倉家の家訓です」
「だから君は何時もホテルのアメニティを根こそぎ持って帰ろうとするんだね」
「泥棒でも見てるような視線を向けてくるおじさんのお陰で最近はしてません」

昼食の後、次の講義まで時間が空いてしまった亜美。
与えられたという部屋がどんなものか知りたくて彼に会いに来た。
大学の研究室は本と資料だらけで助手に迷惑をかけっぱなしだが
此方は部屋を貰って日が浅いため殆ど物が無い状態。

「でもここなら君と居ても大丈夫だね」
「まあ、確かに」

簡素なソファに座る亜美の隣に座る雅臣。
少し狭いけれど肩を抱かれて悪い気はしない。

「廊下でこんな接近したら君は怒るし問題になりそうだから」
「どうみても生徒に手ぇ出した変態のロリコンでしょうね」
「そのことなんだけど実は」
「おーっと。お電話みたいですよ教授ー」
「たぶん、あの人だろうな」
「え?」

面倒そうに立ち上がると机の上に置いてあった携帯を取る。
まるで初めから相手が分かっているような言い方。
自分の席に座って何やらコソコソと話を始めたが口調からして知り合いのようだ。
亜美はそれとなく聞き耳をたてる。

「ですから、私にはまだ…ええ、今年で39ですけども。はい。いえ」

歳の話をしているだがそれ以上は聞き取れず。
暫くして電話を切り机に戻した。
雅臣は疲れた様子で亜美の隣に座る。

「何か深刻そうなお話でしたけど」
「私の母方の叔母でね」
「へえ。親戚の人」

てっきり身内とは距離を置いているものだと思っていた亜美は驚いた。
ただあの双子の事もあるし例外はあるのだろうとは思うが。

「彼女はずっとオーストラリアに住んでいてたまにしか此方にいは来ない。
そして帰る度に私に縁談を持ちかけてくるんだ、世話好きな人だから…」
「縁談。へえ。お見合いでもするんですか」
「いいや。申し訳ないけど見合いなんて時間の無駄だよ」
「じゃあ断わるんですか」
「君を紹介しようと思ってるんだけど」
「私。え。彼女ですって?」
「うん」
「えー…」

思いっきり引きつった顔をする亜美。
まさかそこまで拒否反応されるとは思わず雅臣は驚いた顔。

「そのえーはどういう意味?」
「だって。精神を疑われかねませんよ?こんな若さ溢れるプリプリの美少女を」
「若いことは認めるけどね…でも、美少女というのもちょっと言いすぎ」
「あぁ?」
「いえ」

確かにオーストラリアに住んでいるならバレても問題ないかもしれない。
その叔母さんと亜美の家系とはなんら接点がないのだし。
でもいざ恋人ですと紹介されるというのは恥ずかしいものがあって。
双子にバレるのとはまた違う緊張感がある。

「でも、…見合いとかされるよりはいいのかな」

雅臣の膝に座ると向かい合い彼の首に手を回す。
すぐに抱きしめられて。

「見合いが面倒だというのもあるけど、私の願望かもしれない」
「え?」
「亜美が私のものだと紹介したい願望」
「いまさら?」

笑いながら見つめあい徐々に顔を近づける2人。
ここでは他人を装ってお互いにあまり接触する事は無かった。
でも個室を与えられ声もよほどでなければ漏れないとなれば話は別。

「独占欲というものは加速するものさ」
「わかる。おじさん日に日にウザくなるもん」
「申し訳ないと思っているよ」
「うそばっか。……でも、…許してあげる」

口先だけの謝罪を軽く笑いながら亜美はキスする。
屋敷ならともなく、
学校でしかも先生とこんな事をしてはいけないと思いながら。
でも自分が止めたってこの人は止まらない。

「明日の夜なんだけど。どうかな」
「紹介ですか?ほんといきなり」
「ごめん。来日自体今朝メールで知らされたばかりで」
「しょうがないですね。でも、文句は受け付けないから」
「そんな事はさせないよ」

さりげなく腰にあった手がお尻へ。
スカートなんてものを穿いていたためすぐに中へ。
暖かい手がやらしく下着の上から撫でてきて困る。

「これ以上したら…だめですよ」
「君こそ。そんな顔されたら止め難い」
「どんな顔?」
「もっとしてほしそうな顔」
「それは雅臣さんの願望」

そう言いながらも亜美から唇を合わせ舌を絡める。スカートの中では
パンツをキュっと真ん中に寄せ引き上げられ擦れて感じてしまう。
お尻をなでるだけでは満足できなくなった手は亜美の上着を捲りあげ
ブラジャーをはずした。プルンと露になる白い肌。

「この柔らかさの中で死ねるなら本望かな」
「大学の教授が言う台詞ですか。末期エロおっさん」

その大きな胸に顔をうめ幸せそうにピンクの先に吸い付く。手はお尻。
これはどういうえっちなお店だろう。亜美は我ながら泣けてくる。
でも幸せそうな叔父さんは見ていて此方も幸せになってくるから不思議。
それに尻と胸の愛撫が心地よくてつい声が出そうになる。

「亜美」
「あ。駄目です。本格的にされちゃうと講義が」
「大丈夫かい?こんなに濡れてるけど」
「誰の所為ですか。このおっぱい魔人め」

パンツ越しに感じてしまう付近を指でなぞると存分に湿っていて。
後ろから指で優しく押したり撫でたりすると腰をくねらせる亜美。
押さえた甘い声も雅臣の耳元で聞こえてこのままでは終われない。
亜美を横に置いて一端立ち上がると彼女の足を開かせる。

「スカート汚れないようにね」
「…雅臣さん」

彼女にスカートを持たせ下半身をよく見せるように指示する。
汚されては大変だと渋々いう事を聞く亜美。
唯一ソコを隠してくれているパンツはじっとり湿っていた。

「君のこういう姿がたまらない」
「…もう…スケベ変態ロリコンエロおやじ!」

じっくり眺めるとそれさえも脱がせる。その時の叔父さんの嬉しそうな顔。
亜美は恥かしくて足を閉じたいががっちり体と手でガードされている。
イヤイヤと腰を動かし軽い抵抗をするたびに散々吸い付かれて湿った胸が
プルプルと小刻みに揺れる。

「君に関して言えば全部認める。だから大人しくしてくれないか」
「そ、それってどう…なんですか…っ…ぁああ…ぁっ」

足を掴まれたまま雅臣の顔が亜美の湿り気を帯びたソコへと沈む。
胸を愛撫されるよりも強い刺激が体中に走りビクっと体を震わせた。
思わず声が漏れる。誰かに聞かれないか不安だけど我慢できない。
途中から胸も愛撫され亜美は間もなく果てた。


「少し後悔してる」
「私も盛大に後悔してます」
「君も最後まで」
「来なきゃよかった。次講義あるって言いましたよね」
「聞いた」
「じゃあ何でこんな…こんな状態で行けるか!」

亜美は暫しソファで放心状態になりやっと動き出せたと思ったら体中に
汗とか唾液とかなんと表現していいか分からない液体などがべったり。
シャワーを浴びないと講義に出られないような状態。

「それなら今日は休んでこのまま」
「何処までエロスなじゃ己の脳みそはー!」
「痛いよ亜美」

バンバン叔父さんの頭を叩き下着を穿いてシャツのボタンを締める。
流石にシャワーまでは完備されていないだろうし、
学内でもそんな施設聞いた事がない。香水も何も持っていない。
高い授業料を払っているのだから出来れば講義は休みたくない。

「二度と行くものか。あんなエロおっさんの住処」

講義の時間も迫って来ていたから逃げるように部屋を出る。
すぐにトイレに入り用は足さず手だけを洗う。
人が見て居なければ体も洗いたい所だ。流石にそれは無理。

「あの」
「は、はいっ」

トイレを出てブツブツ文句を言っていると声をかけられる。
振り返れば清楚なお嬢さま風の人。学生にしては少し歳が上のような。
何気に胸がでかい気がする。

「大野先生の部屋はこちらで良かったでしょうか」
「え。お。大野せんせい?」
「はい。初めてなもので迷ってしまって。良かったでしょうか」

何となくそんな気はしていたが、まさか的中するとは。
亜美は何とか気を落ち着かせ正しい道を教えた。と同時に
彼女を追い越して走り出す。講義のある部屋ではなく来た道を。

「忘れ物かい?」

部屋に入るとのんびりコーヒーを飲んでいる叔父さん。
ズカズカと近づいていき。

「浮気したらタマ潰してやる!」

挨拶も何もなく叔父さんに向かって指をビシっと刺して叫んだ。

「え。な、なに?どうしたのそんな何時にも増して凶暴な」
「いいから。浮気したら熱い棒をケツにつっこむから!」
「話が見えないし全然良くないよ。落ち着いて」
「講義があるんで行きますけど。いいですか、浮気したら浮気しかえす!」
「講義が終わったら一緒に帰ろう、駐車場で待っているから」
「潰す!」
「それは分かったから。講義遅れるよ」

彼女が去ったあと、どうしてあんなに怒っていたのかを考える。
浮気がどうとか言っていたけれどそんな事をした覚えは無い。
する予定も無い。何かあったのだろうかと再びコーヒーに口をつけると
ドアをノックする音。亜美ではない、彼女はこんなおしとやかな音はさせない。

「やっと先生のお部屋に到着しました」
「ああ。そういう事か」
「はい?」
「いや、なんでもないよ。私に何か用ですか?」

入ってきた女性に納得してつい笑う。相手は不思議そうに此方を見た。

「はい。先生の助手を仰せつかりまして」
「助手?募集した覚えはないけど」
「学長が何かとお忙しい先生の為にと」
「そうか。そこまで気を回してくださったのか。…いや、ありがたいけれど」
「私ではご不満でしょうか」

どうやらこの女性は指示されたから来たのではなく
本心として助手になりたいらしい。助手に否定的な雅臣に
諦めきれないという顔をする。確かに有能そうではある。が。

「大学に助手はいるしここでは今の所1人で事足りるので」
「分かりました。でも、何かありましたら何時でもお申し付けくださいね」
「ありがとう」
「先生の論文が発表されるたびに読んでます。尊敬してます。…では」

彼女が部屋を出ると何も無かったようにコーヒーを飲む。
亜美の講義が終わるまでまだまだ時間はある。
本でも読んで時間を潰そう。




「嫌です」
「どうして?何もしてないと散々説明したのに」
「何か嫌だから。嫌です」

その夜。続きをしようと亜美を誘いに来たら何故か部屋に入れてもらえず。
ドア越しの会話。流石にそれは酷いだろうと少しだけあけてもらう。
が、彼女の手には何処から持ってきたのか野球のバット。
下手に近寄れば容赦なく撲殺される。

「私に悶々としたまま寝ろと言うの?」
「そう。罰」
「君の嫉妬深さも中々のものだね」
「お休みなさい」
「あ。まって。閉めないで。…せめて一緒に寝よう」
「顔にヤリたいって書いてあるんでお断りです」


つづく


2010/05/08